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82歳の母の頚椎骨折が証明!いくつになっても、骨は治る。 - Dr. Chikako Harper

82歳の母の頚椎骨折が証明!いくつになっても、骨は治る。

February 5, 2024

(2022年2月の夕焼け新聞コラム)

昨年もいろいろありましたが、中でも一番のハイライトは、日本にいる母の頚椎骨折。そう、83歳(当時82歳)の母が転倒して首の骨を骨折したのです。「救急車で病院に運ばれた」と父から連絡があったときは、さーっと血の気が引きました。

車椅子の生活になれば、89歳の父が83歳の母を老老介護、、、共倒れしてしまいます。

CTとMRIの結果、頚椎C6の単純骨折で脊髄に損傷はないとのこと、不幸中の幸でした。

手術か、首固定か?

担当医は、即、手術を勧めてきました。でも、母には脊椎強直症の持病があり、もう何十年も首から背中までの椎骨がくっついたままで曲がらない上、今では高齢で痩せ細っています。しかも、数年前に頻脈で心臓の手術をしていて心臓も強くない。手術に耐えうるのだろうか?術後の回復期間に寝たきりになると、脳や体の機能が衰退してしまわないだろうか?

アメリカでは近年、脊椎の手術は慎重になってきています。ちょうど、コロナ前に受講したOHSU(オレゴン医科大学)の一般医向けの整形外科セミナーでも、過去の統計から脊椎手術で改善しなかった、あるいは悪化したケースが多く、手術は最後の手段と言っていたのが強く印象に残っていました。

もちろん、ケースバイケースだから、一概に手術はNoとは言えません。母のようなケースの場合は、何が最適なのだろうかと医学文献を読み漁ると、専門医の中でも手術派と首固定派とに意見が別れているようです。日本に帰ろうかという私を父が頑なに拒むので、遠いアメリカからメールや電話で母の容態を聞きながら、私の意見を述べることしかできません。あまり口を挟んで混乱させるのも良くないので思いあぐねていたら、母自身が出した結論も「手術はNo」。

母が選んだ「首固定」の治療

結局、母の年齢や持病を考慮して担当医も了承してくれて、Halo Vestという器具で首を固定する治療に方針がきまりました。

全力で母の治癒をサポートしよう。来る日も来る日もネットで文献や個人の体験記を読み漁っていると、2つの心強い成功例が見つかりました。

一つはアメリカの医学文献で、なんと83歳のおばあちゃんが頚椎C2を転倒により単純骨折し、手術せずにHalo Vestで首を固定し、3ヶ月で完治したというケース。

もう一つは、自転車で転倒して頚椎骨折したというおじいちゃん(年齢不詳)がHalo Vestで3ヶ月強で完治した闘病ブログ。

早速、両親に情報をメールで共有し、入院する82歳の母と、入院先に洗濯物や必要な日用品を届けに通う89歳の父をメールで応援する毎日がはじまります。

壊れた骨を治すのは、新陳代謝

目標は、首を固定して頚椎C6の骨折部分の骨を結合させること。それができるのが、新陳代謝。私たちの体は何兆個もの細胞で作られていて、その一つ一つの細胞が日夜、新陳代謝して壊れた細胞を修復しています。そのためには、何をしなければならないか?栄養バランスのよい健康食を、よく噛んで食べ、体を動かして血行を巡らせて、栄養素と酸素を細胞に送ること。

骨も骨細胞という細胞でできていて、新陳代謝により常に生まれ代わっています。特に骨の修復に必要なのは、食から摂取するカルシウムなどのミネラル、タンパク質、そしてビタミンD。ビタミンDは太陽光を浴びて皮膚から生成されるため、入院中でも窓からの日光を浴びることが大切。そして、これらの栄養素を骨にしっかり吸収させるためには、骨に振動を与えなければなりません。そう、体を動かして骨を刺激し、骨の栄養吸収を促すのです。

幸い、日本の病院食は医食同源で大変優秀。元来、頑張り屋さんの母は、毎回の食事を完食し、リハビリに励み、時間があれば病院の廊下を歩く日々を送った結果、担当医も目を見張るほど骨折が修復されて、前述のおばあちゃんとおじいちゃんの例とほぼ同じ3ヶ月後の6月末で、おかげさまで退院となりました。退院直後は、やはりリハビリをしていても筋肉の衰えがあり、動作が遅かったり、しゃがめなかったりなどあったようですが、今では、骨折前と全く変わらない生活に戻っています。

逆境も、学びに換えるポジティブな姿勢

激痛で身動きひとつできず、2キロ強の器具を頭らか肩に固定され、最初の数週間は自力でトイレにもいけない。しかもコロナ下で家族とも面会できない。相当辛かっただろうに、母は文句の一つも泣き言の一つも言いませんでした。それどころか「新しい体験ばかりで面白かったし、看護士さんやリハビリの先生達が親切で、キビキビとお世話をしてくれて楽しかった」というから立派です。このポジティブな姿勢も治癒力となったに違いない。戦後を生き、高度経済成長を支えた昭和初期の人たちの強さに改めて感嘆し、感謝し、教えられたできことでもありました。

今年も、みなさんの日々の健康に役立つコラムを寄稿していきます!乞うご期待!

(イラストは、University Health Network、 www.uhnpatienteducation.caからお借りしました)

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